なぜ今Owl Projectなのか ~還暦からの人生2周目~
															「人生2周目!頑張ります!!」
先日、同じ年の親しい友人がそう言っているのを聞いて、ハッとしました。
そうか、還暦って人生2周目に突入するということなのか。
考えてみれば、60年という時間は確かに長い。一つの人生を丸々生きてきて、今度は2周目のスタートライン。そう思うと、なんだか新鮮な気持ちになってきました。
これまでの人生で得た「財産」
人生2周目を迎えるにあたって、これまでの来し方を振り返ってみました。
私の財産は何だろう?お金?地位?いえいえ、ありません(笑)。何と言っても「色々な経験をしてきたこと」です。
メガバンク時代:組織人としての15年
三井住友銀行では15年間、大企業という組織の中で働くということを学びました。支店業務、アナリスト、新規事業開発と、様々な仕事を経験する中で、組織というものの面白さと難しさを身をもって知りました。
特にアナリストとしての9年間は貴重でした。IT業界担当として数多くの業界・企業分析を行い、次に移った部署では、アナリスト時代の経験を活かして、当時勃興していた金融やITベンチャー企業との提携による銀行の新しいビジネスモデルの構築に携わりました。
銀行という巨大組織の中でも新しいことにチャレンジできる面白さを味わう一方で、大組織特有の「やり辛さ」も経験しました。この時の経験が、後のベンチャー企業での仕事に大いに役立つことになります。
ベンチャー企業でのCXO経験:人間模様の最前線
その後のベンチャー企業でのCXOの仕事では、まったく違う世界を知りました。
いくつかの成長企業で役員として、事業拡大や資金調達に携わりました。急成長する企業では、IPOが経営者や組織にもたらす変化を間近で見ることができました。良い変化もあれば、時として望ましくない変化もある。人間というものの複雑さを実感する貴重な経験でした。
また、華やかに見える業界でも、実際の経営は地道で厳しいものだということを学びました。表向きの成功と裏側の実態が大きく異なることも少なくありません。様々な業界で財務や経営の実情を知る中で、どの業界にも共通する経営の本質的な課題があることを理解しました。
コンサルタント時代:多様な企業との出会い
2015年から始めたコンサルティング業務では、さらに多様な企業と出会うことになりました。
IT企業、メーカー、サービス業チェーンなど、業界も規模も様々な会社で経営に直接関わりました。財務改善から組織再編まで、経営者の最も近いところで仕事をする中で、多くの学びを得ました。
しかし同時に、残念ながら期待を裏切られる経験も少なくありませんでした。信頼してお引き受けした案件で、契約と異なる対応を受けたり、約束が守られなかったり。時には、明らかに不誠実な経営者に遭遇することもありました。
経験から得た深い学び
これらの経験を通じて、私は人間の本質というものを観察することができました。
上場前後での人の変化、組織が大きくなる時の課題、そして残念ながら存在する不誠実な人たちの行動パターン。多くの企業、多くの経営者と関わる中で、人間というものの複雑さと面白さを深く理解するようになりました。
しかし、この経験は私に失望ではなく、むしろ深い人間理解をもたらしました。どんな人にも光と影があり、完璧な人はいない。だからこそ、お互いを理解し、支え合うことが大切なのだと感じています。
若い世代への想い
これらの経験から得た知恵、知見、ものの見方、人への見方。
これらを、経営トップ層、特に20〜40代の若手経営者たちに伝えていきたい。そんな想いが強くなってきました。
ただし、説教臭くならないように。上から目線にならないように。同じ目線で。
私自身も何度も失敗し、時には判断を誤りました。完璧な経営者でもコンサルタントでもありません。だからこそ、過ちや失敗から得た実践的な知恵を、伝えていきたいのです。
人生2周目の事業構想
そこで考えたのが、AI導入支援という切り口でのオンライン経営顧問事業です。
現代の経営者が直面している最大の課題の一つが「AI活用」です。多くの企業が「AIを導入しなければ」と感じているものの、具体的に何から始めればよいのか、どこに相談すればよいのか分からずにいます。
一方で、多くのAIコンサルタントは技術論に偏りがちで、経営者の本当の悩みや組織の実情を理解していないケースが多いのが現実です。
「オンライン経営顧問〜秘書もやります、手も動かします〜」
このコンセプトで、経営者目線でベンチャー企業にAI導入を進めながら、決して「上からコンサル」ではなく、現場の担当者たちと一緒になって手を動かしながら、業務改善や組織再編を図っていく。
その過程で、経営トップ層にしか分からない、持ちえない経営上の悩みに対して、長年CXOとして経営トップに仕えてきた経験、様々な組織で働いてきた経験や、多種多様な人たちを見てきた経験から得た知見により、リアルかつ的確なアドバイスを送っていきたい。
技術導入の支援をしながら、経営者の孤独な悩みに寄り添う。これこそが、私の人生2周目の仕事に相応しいのではないかと思い至りました。
なぜ「Owl Project」なのか
新しいプロジェクトの名前を考えているとき、ふとした会話からフクロウという鳥に行き着きました。
フクロウは「森の賢者」と呼ばれ、知恵の象徴とされています。また、夜行性で暗闇の中でも遠くまで見通すことができる。不確実な時代の中で、明るい未来を見つけるお手伝いができれば、という想いにぴったりでした。
そして何より、フクロウには「不苦労」という素敵な当て字があります。私の人生2周目のプロジェクトにおいて出会うであろう若い経営者の皆さんが、少しでも余計な苦労をせずに、本質的な経営に集中できるように。そんな願いを込めました。
「現場感覚」を大切にしたサービス
Owl Projectでは、「現場感覚」を何よりも大切にします。
机上の空論ではなく、実際に手を動かし、現場の担当者と一緒に汗をかきながら改善を図る。経営者には「こうあるべき」という理想論ではなく、「こうすれば現実的に改善できる」という具体的な提案をお届けします。
AI導入という技術的な側面と、組織運営という人間的な側面。その両方をバランス良く支援することで、持続可能な成長を実現していただきたいと考えています。
なぜオンラインなのか
オンラインにこだわるのは、全国どこの企業ともお付き合いできるからです。東京の会社だけでなく、地方で頑張っている経営者の皆さんとも、等しくお役に立ちたい。
また、オンラインだからこそ実現できる「ちょうど良い距離感」があります。毎日顔を合わせるほど密ではないけれど、必要な時にはすぐに相談できる。そんな関係性が、経営顧問には最適だと考えています。
一緒に「不苦労」な経営を目指しましょう
今の私だからこそお手伝いできることがあります。技術的な支援と人間的な理解、その両方を兼ね備えたパートナーとして、皆さんの経営をサポートさせていただきます。
若い経営者の皆さんが、少しでも「不苦労」で、笑顔で経営に取り組めるように。
そんな想いを込めて、Owl Projectをスタートします。
